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占いは「ウソが9割」?!

2007年09月08日

この20年ほど、これまでにないスピードで「精神世界」「スピリチュアル」関係の書籍、雑誌、ネット記事が増えてきており、かなり売れているものも少なからずあります。
私自身もその時代の流れのお陰で自分の心の成長を促すことができ、大いに恩恵を受けてきた者の一人ですが、その分、誤解や嘘に基づく情報発信も多いことに気づき、愕然とすることも少なくありません。


特に、精神世界系願望実現本やストレスへの心理学的対処法の本を出し、結構好感を持っていた著者が占いの本来の意味や成り立ちを誤解し、日本に蔓延する「占いもどき」を占いと同一視した上での「占いの賢い利用法」なるものを述べているのを読んだ時には、かなり失望します。


よくあるパターンが「占いは当たるも八卦当たらぬも八卦といわれる程度のもの。いわれたことを全て信じるのはストレスになるから、良いことだけを覚えておいて、信じ続けよう!そうすれば現実もそうなる!」といった論調のもの。


私は占いによる予想をよく天気予報に喩えて人に説明しますが、上記の考えは、天気予報でいえば下駄で天気を予測しようとするのと同じこと。
(知らない若い世代の人のために説明すると、かつて子供の遊びで「明日天気になーれ」といいながらはいていた下駄(今なら靴)を蹴りだし、それが着地した時ひっくり返ったら雨、ちゃんと起き上がった状態なら晴れ、横向きなら曇りと決める遊びです。)
「下駄を蹴り出したらひっくり返った。でも翌日は天気になった。だから天気予報何てあてにならない、信じるだけストレス。下駄が裏返っても天気になると信じれば、天気になる!」というのと同じことです。


一口に「天気予報」といっても、気象予報士が天気図や衛星写真、気温や気流や湿度等などのデータに基づききっちり分析して予報したものと、下駄で判断した結果に、同等な価値があるでしょうか?
ここで事の軽重を考慮せず、気象庁発表の天気予報で「明日は台風が接近しますので河川や海には近づかないようにしましょう」といっているのに「いや、明日は前から楽しみにしていた釣りに行く日なのだ、天気予報のいうことなど信じたらストレスになる。明日は天気になると信じる!そうすればきっと願いはかなう!」
果たしてこれが「前向きな考え方」でしょうか?
大方、増水した川や海に飲み込まれて命を失うのがオチでしょう。
本当の占いと「占いもどき」をごっちゃにした人の認識も、このレベルです。


もちろん日本でこれほど占いへの正しい認識の普及が遅れているのは、占い師側にも問題はあります。
ひたすらマスコミへの露出と「占いもどき」の普及にばかり貢献した有名「占い師」も少なくないですからね。
雑誌などの占い記事なんてほんと、はっきりいってウソ9割と思った方が良いですよ。


私が西洋占星術を学んだ松村潔氏は幻冬舎のウェブマガジンに読者の鑑定記事を連載していますがその中で、以下の内容を書いておられます。
2007年1月15日号で、相談者が「今年は幸運の星、木星が自分の星座に入っているので12年に1度の大幸運期だと、どの本にも載っているが、全然そんなことなくむしろ不運が続いている」という相談に対しての回答です。


「占星術は、天体計算のソフトを使って、多数の天体位置などを計算して作成されたホロスコープをもとにして考えますが、雑誌などの場合には、個人情報というのを拾うことができず、唯一、あまり計算しなくても、毎年似たような時期には似たような場所にくる太陽だけをあてにして、太陽サインというものを考えます。…あたる率というのは、10パーセントか20パーセント程度でしょう。エンターティメントとして割り切って読んだほうがいいと思います。書いている側も、信じていないことが多いです。これは説明したように設定に無理があるので、詳しい人ほど、こんなので書ける訳がないということを自覚していることが多いのです。」
そして、太陽サイン占いとかを長く書いていると、嘘ばっかり書いている気分の悪さでだんだん消耗してくるので、無名の下請けの人に書いてもらうことになりやすい(記事の署名は元の人のままで)、という実情を説明してくださってます。


私もある時(あれは「占いライター養成講座」を受講した時だったか)に実際に聞いた話ですが、「占星術記事で星座ごとの運を見るのに、タロットで決めている」という人さえいました。


それでも今後について、松村氏は1つの希望の可能性を教えてくださっているので、それが救いに感じられました。
「インターネットなどでは、パソコンで計算したものが使えるので、雑誌と違って、もっと克明なののが可能となるでしょう。こういう観点から、雑誌では星占いは極力減らして、ネットや携帯などで取り組むほうがよいでしょう。しかし、いまはまだ、多くの作り手は、雑誌の延長として原稿を書いていますから、わりにてきとうで大雑把な内容が続いています。…何年かすると、ネットとか携帯サイトなどで、まともな内容のものを作る試みが始まるのではないでしょうか。」


こうした情勢の中、ちゃんとした内容のコンテンツを作っておられるのが、「梅花心易」の鎗田(やりた)先生です。
ご自身のHP日記でも「自分自身でも使えるものでなければ発表しない」と明言しておられ、その占い結果と日々の自分に起こる事象についても何回か日記で伝えてくださってますし、「ネットで占ったら矛盾した結果が出たのだが、どう解釈したら良いか」といった読者からの質問にもQ&Aコーナーを設けて丁寧に回答しておられます。


占いも気象予報士の情報も、結局、受け手の正しい理解・認識と活用次第で、ゴミにも宝にもなるのです。

書いた人 浜野ゆり : 2007年09月08日 07:45