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初夢

2009年01月09日

皆さんは今年、どんな初夢を見ましたか?


私はいかにも夢らしい、日常の様々な思考の断片が混ざり合った、荒唐無稽なものでした:


我が家では主に相棒が料理担当してくれており、お節もそうなのですが、夢の中でも彼がいろいろ用意しながら、私に「あっ、じゃあそこの珊瑚を盛り付けして」と指示します。
私は「え、珊瑚も食べられるんだっけ?」と見ると、ざるの中に長さ5-6cmずつぐらいに切られ、茹で上がった珊瑚の枝(それぞれ直径2cmくらいの太さ)が山盛りになっています。
色は赤に少し白いすじが入ったような模様で、ちょうど蟹の足を茹でたような感じ。
どうやら蟹と同じように、殻を剥くと中の身を食べられるようで「そうか、珊瑚もこうして食べられるんだー。美味しそう」と思っています。


…という夢で、目が覚めてからちょっと笑ってしまいました。
これは伊豆に引っ越してきて、近所の干物屋さんや、普通のスーパーでも新鮮な魚介類が地元価格で購入でき、非常に美味しいことに感激することが多かったのと、近場の海でもイセエビやアワビなどが獲れると聞いたこと(もちろん実際には、こうした高級なものは漁業権がないと手が出せないですが)がごっちゃになって、こうしたストーリーになって出てきたのでしょう。


まあ、内容は紅白でめでたいし、豊漁で縁起が良いわ、と思うことにしたのでした(笑)。


<追記>
その後松村先生の1月4日の日記を読み、自分の猫の夢の解釈がもう一段進みました。
そしてこの見地から、初夢のもっと深い意味も理解できました。


珊瑚というのは、ある種の無数の原始的な動物の集合体で、プランクトンのごとき微小の珊瑚の幼虫(幼生)が何千、何万と集まり、岩の上などでセメント質の分泌物を出して定着します。幼生同士もこのセメントで強固に固定され、あたかも1つの石の枝や塊のようになるのです。


これを松村氏流に考えると、4日に見た夢の「多数の甲虫の死骸」以上に無数の、しかも完全に一体化した、つまりは個を超えた集団としての「虫意識」を表します。
また、この正月に松村先生のもとに寄せられた何人かの夢の報告の共通テーマとして「水の中の生命体を取り出し、加工して水に戻す」というのがありますが、珊瑚もいうまでもなく海の生物。
(ついでにいうと、「虫の石灰化」「水の中の赤」といったキーワードもこの夢の中に組み込まれており、驚きました。)
更に面白いのが「塩ゆでにして食べてしまう」という設定です。
松村氏は「人類の今後のより広い意識進化のためには、これまで否認してきた虫意識も取り入れることが重要だが、虫意識は理屈や感情で操作できるものではなく、彼我の差をなくしてただ受容し、同一化することでのみ、取り入れられる」と書いておられます。


で、食べる(消化する)ことを生化学的には「同化」といいます。
まさに対象(食物)を自分の中に取り入れ、分子レベルで一体化してしまうということです。
つまり今年の私の初夢の深読みは、「集合的虫意識をも取り入れ、人の意識進化をめざす」ということになりそうです。
人とは、もちろんまずは自分からということですが。
うーむ、なかなか壮大な夢だったのですね(笑)。


今回の初夢を、私が当初割と気楽に表面的な意味づけをして満足してしまったため、潜在意識が「もっと深い意味に気づけ」と、もう一レベルわかりやすくした形(猫の夢)で見せ、それを通じて真の意味に気づかせようとしたのだろうなあ、と膝を打ったのでした。
(ちなみにここで書いた解釈は精神世界系の視点であり、ややユングの見方には近いですが、フロイトをはじめとする精神分析での夢解釈の仕方とはかなり異なることをお断りしておきます。)

書いた人 浜野ゆり : 2009年01月09日 10:25