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どこまで笑い飛ばせるか?

2011年11月17日

ふつう、笑うのは何か楽しいことやおかしいことがあるときだ、と思うでしょう。
しかし最近の研究で、別に先立つ面白いことがなくても、最初に意図的に笑ってしまうことで後から感情もついてくることや、そうした意図的笑いでも度々続けることでNK細胞など体の免疫系をつかさどる細胞が増えることが知られています。


「笑いヨガ」を考案した医師でインド人のマダン・カタリア氏が、DVDでもその手法を公開していますが、とにもかくにも笑うという「行動」を実践したもの勝ち、ということがわかってきます。


「行動」として笑いを定義すると、それは「規則的な呼吸と規則的な発声の繰り返しである」と、精神科医で日本笑い学会の理事、市来先生は述べておられます。
すなわち「はっはっは」等と笑うとき、息を数秒間にわたり吐きだし続け、同時に発声も繰り返すわけで、ストレスや運動不足から呼吸筋や腹筋も停滞・なまりがちな多くの現代人にとって、かっこうの「運動」にもなるわけです。


DVDの中で私が特に印象的に感じたものの一つが「請求書笑い」。
自宅に請求書が届くのを見るのは、誰にとっても嫌なものです。
自分が先日確かに買ったものであってもその支払いを思い出すのは楽しくないし、万一請求額が間違って高くなっていたら怒り心頭でしょう。


しかし「請求書笑い」ではその請求書を指さして、あえて笑いの対象にします。
別に笑う心理的理由を考える必要もなく、単に表情筋と呼吸筋を動員して笑えば良いのです。


当初は「わざとらしい!ばかげている。何で請求書のような嫌なものを見て笑わねばならないのだ」と感じるでしょうが、純粋な「運動」「筋トレ」と思って割り切ってください。
何度も繰り返すうち、徐々にばかばかしさやみじめさがニュートラルになり、次第に「まあ、いいか」、ついには「あ~私ってまた、こんなことでカリカリしてるわ~」と自分を良い意味でつき離し、客観的な目で見られるようになり、その後別のストレス源が発生した時も、以前よりは心理的に巻き込まれにくくなっていきます。


とはいえ、人が密集した中での滞在時間が圧倒的に多い現代生活で、急に笑い出したら、周囲に驚かれてしまします。
そういう時でも「沈黙笑い」、つまり声を出さずに表情筋は動かして笑います。
とはいえこれも、一応人目に触れない所での方がやりやすいでしょう。


どうしても人が視界からいなくできない場合は、(通話してない)携帯電話を耳に当てて笑います。
こちらなら少々声を立てても、「ああ、相手と何か楽しい話をしてるんだな」と周囲に思ってもらえます。


「何もそこまでして・・・」と思いますか?
それでも、「そこまで」しないと、あっという間にまた1週間経ち、1か月経ち、1年経って、そして「今年も変わり映えしなかったなあ」ということになります。
自分の現実的な環境(対人関係や経済面を含む)を良くするためにはまず自分の感情状態を良くすることが、非常に実際的で効果的なのです。


「おかしくもないのに笑えるか」は、もはや古い感覚であり、今後は「自分のために、おかしくなければなおのこと、意図的に笑い練習をしよう」という心掛けが非常に大切です。


現代の特に都市生活で、休日や夜にランニングしている人を見て「何で自由時間にわざわざ疲れることをするのだ」という人よりも「おお、健康のために走っているのだな。私もサボらないように気をつけよう」と思う人の方が、現在では多いでしょう。
それは、健康と運動について、毎日のようにTVや雑誌その他で「運動しましょう」という助言がされ、皆もそれを受け入れているからです。
「笑トレ」も、早くこのように認識される世の中になれば良いなあ、と思います。


さてこの他にも、笑うことで表情筋を鍛えリフトアップするので若々しい顔になることや、認知症予防を含め脳の老化予防につながる可能性について指摘されています。
ご興味のある方は以下の記事もどうぞ。
http://www.white-family.or.jp/healthy-island/htm/repoto/repo-to457.htm

書いた人 浜野ゆり : 2011年11月17日 15:18