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(30)「適度」なスピリチュアル生活――占いについて11:同じ誕生日でも鑑定結果が違うのはなぜ?

2012年12月25日

④誕生の日時に関する情報が同じでも、占星術師が違えば結果もかなり違う。


占いはその基本として、象意(シンボル)を占い師が解釈してクライアントに説明するというものです。


したがって、ホロスコープに出ているどの象意を拾い上げ、どのように解釈して伝えるかは、占い師の技量と価値観に左右されます。


例えば西洋占星術ならば、「太陽」は「社会的(つまり回りから見てもわかる)自我」、「夫」、「仕事」といった、いくつかの代表的な象意を持ち、そのどれが今クライアントへの回答として翻訳されるべきかの判断を占い師が行なわなくてはならなりません。


そこで選択を誤ると、的外れな鑑定結果となってしまいます。


ある占い師養成学校では、卒業試験として、事前情報のない出生図を出し、その人物像を描写させて、その図に対して整合性があれば合格とする、という課題があります。


ある年には世界的に有名な某ミュージシャンが出題されました。


ホロスコープでは結果としてその人が「ミュージシャン」になったかどうかは判定できません。


けれども何らかの芸術的感性があることや、仕事の仕方(例えば組織員として働くか独立を好むか)、基本的性格、幼少時の環境、人間関係(親子、友人、恋人、配偶者などと)のあり方、好調な年代、危機が訪れやすい年代など人生の主なポイントが把握されていれば、合格となります。


このように、出生図はその持ち主の人生の青写真を俯瞰する視点なのです。


一般的に、古典的な占いの古典的な解釈では、当時の価値観を引き継いで「平穏無事であること」を何よりもよしとするため、「他者と違う感性や言動を持つ」「新規なことを始めようとする」ような人物は組織にとっての危険人物であり、そのような人は他者に疎まれるので不幸な人生だ、したがって自分を出さずおとなしくしていなさいという助言が結論として与えられがちでした。


たとえば組織の常識に疑問を呈する人や、会社勤務を拒否し一匹狼で仕事をする者、当時の家父長制度にあって夫や父に意見し、自己主張する女性などは変人であり病気で、ろくな人生でない、という価値観です。


しかし現代では価値観がかなり違ってきています。


たとえばホロスコープ上、2-3年後に離婚する可能性が高いという結果がでた場合、離婚イコール悪という価値観を持つ占い師だと、それをまがまがしい事件ととらえ、「その不幸を何とか避けるにはどうすれば良いか」というアドバイス中心になるでしょう。


でも当人にとっては待ち望んだ離婚かもしれないのです。


その辺りを、占い師の先入観ではなく、クライアントと話し合う中で理解し、クライアントが最も望む人生の方向性を実現しやすいように総合的に助言するのが、真に良い占い師だということになります。

書いた人 浜野ゆり : 2012年12月25日 19:29