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(32)「適度」なスピリチュアル生活――占いについて13:万人向けの「鑑定結果」がある?

2012年12月28日

更にセーガン氏の占星術批判が続きます。


一人の科学者が、無料で星占いをしてやるという広告をパリの新聞に出した。


すると、百五十通ほどの手紙が寄せられた。


手紙には、科学者が広告で求めておいたとおりに、差出人の生まれた場所と時間とが詳しく書いてあった。さて、この科学者は、どの人にもまったく同じ星占いの結果を送り返し、占いが当たっていると思うかどうかを尋ねる質問紙を同封した。


すると、手紙の主の九十四パーセント(そして家族や友達の九十パーセント)が、占いは当たっていると思うとの返事をよこしたのだ。


だが、実はその星占いは、フランスの連続殺人犯に対するものだったのである。


相手に直接会わなくとも星占いがこれほど当たるなら、人の表情を巧みに読み取り、おおまかなことしか言わない占い師なら、さぞかし当たる占いができることだろう。
( 247ページ)


例えば


「あなたは心配性で完璧主義なところがある一方で、時に大雑把でいい加減になります」


「マイペースを乱されるのを嫌うと同時に、孤立よりも他人との交流も楽しみます」


といった記述は、誰にでもある程度当てはまるものであり、そこに関しては「当たっている」と感じる人が大半でしょう。


上記では連続殺人犯の星占いを応募者全員に送ったとありますが、(その鑑定を行なった占い師の腕が優秀だと仮定して)その全文ではなく、性格面などの一般化できる部分だけを抜き出して使ったに違いありません。


なぜなら、例えば詳しい生育歴、家族関係、両親や同胞との間柄がそれぞれどうであったか、得意分野はどんなものか、といった具体的で個別性が浮かんでくる部分を織り込めば織り込むほど、万人向けではなくなるからです。


そして、真に「当たる」優秀な占い師であるほど、こうしたはっきりした個別性をあらわす項目を詳しく述べ、目の前のクライアントの相談に答えるのです。

書いた人 浜野ゆり : 2012年12月28日 18:52