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ヒプノセラピー(催眠療法)とは

2005年07月09日

催眠に対する誤解
 「催眠」というと、どんなイメージを浮かべられるでしょうか?テレビなどで術者のなすがまま、言いなりになっておかしな行動をしてしまう、催眠術ショーの様子が、大方の人の抱くイメージではないでしょうか。


催眠とは?
 催眠とは、深いリラックス状態の中で、普段はあまりじっくり触れる機会のない自分の潜在意識に触れ、そこから直感的な洞察を得たり、イメージ体験をしたりできる、一種の意識の変容状態です。
 催眠というと何か特別な、魔術的なイメージを抱かれやすいですが、日常生活の中で誰でも経験しているものです。
 例えば朝目覚めた直後ぼんやりしている時、電車に乗って窓外の風景を何となく目で追っている時、好きな音楽に聞き入っている時、テレビドラマのストーリーに夢中で見入っている時、お風呂に入ってゆったりしている時・・・こういった時の、「リラックスした半覚醒状態」が、催眠状態です。
 こういった意識状態の時には、普段気がつかなかった物事の繋がりに突然気づいたり、直観力が高まっていたりしますが、無意識的に催眠状態に入っているために、そういったメリットを活用する機会はほとんどありません。しかし物理学者や芸術家などで「入浴中」「ベッドで眠りに落ちる直前」「馬上で居眠りしていた時」等に突然アイディアが閃き、その後の大きな成果に繋がった例は、歴史上も数多く伝えられています。
 催眠療法では、セラピストにより催眠状態の基礎知識をつけてもらった上で、セラピストの誘導(補助)によりクライアントは意識的に催眠状態に入り、そのリラックスした意識状態の中でイメージ体験をしていきます。


催眠療法中、どうなるの?
 セラピストの指示で深呼吸や全身の筋肉のリラックスを行なった後、クライアントの問題に最も効果的なイメージ場面を暗示・誘導します。
 クライアントはそのイメージ体験の中で、問題解決のヒントや洞察を得ていくことができます。
 催眠の主導権はあくまでもクライアント側にあり、本人が望まないことを強制されたり、話したくない秘密をしゃべらされたりすることはありません。そもそもクライアントが「こうしたい(この問題について知りたい、解決したい)」という動機と期待があるからこそ催眠が「かかる」のであり、本人が「目覚めたい、止めたい」と思えば、すぐにそうすることができます。
 同じ理由で、催眠から「覚めなくなってしまう」ということはありません。もしもセラピストの指示に反して覚醒しないことがあるとしたら、それはその催眠中のイメージ世界が非常に心地よいためもう少しそこで遊んでいたいとクライアントが決めた時であり、この場合もしばらく(数分から数十分)待てば自然に覚醒するか、もしくは一眠りしてから普通に目覚めます。
 催眠中のイメージ体験の「深さ」は人それぞれです。3D映画のように非常にリアルな人もいれば、自分で思い浮かべた静止画イメージ程度という人もいます。また、視覚よりも聴覚や他の感覚の方を普段よく使って生活している人は、あまり「見え」なくても、音や感覚面でのイメージ体験をしやすいものです。
  多くの場合、「自分で勝手に思い浮かべたイメージに過ぎないのではないか」と感じ、がっかりする人もいるようですが、しかし「その時、そのイメージが出てきた」ことに大きな意味があるのです。
 全般的には「目覚めた状態で見る夢」といったところでしょう。


催眠療法は、どんな効果があるの?
(1)自分の心理状態を改善したい・・・憂うつ、不安、いつも自信がない、罪悪感で苦しんでいる、など。
(2)対人関係を改善したい・・・親子・友人・恋人・同僚とうまくいかない、極端に緊張してしまう、相手に依存してしまう、など。
(3)習慣・癖を直したい・・・ダイエットや禁煙をしたい、アルコールやギャンブル、買い物への依存をなくしたい、など。
(4)電車や人ごみでパニックになる、摂食障害(拒食・過食)、リストカット、原因不明の症状(痛み、しびれ、めまい、冷え、不眠、吐き気など)といったことを治したい。
(5)親友や恋人が欲しい、結婚したい、自分の天職を知りたい。
(6)人生の意味、目的を知りたい。
(7)特に大きな悩みはないが、自分の前世ってどんなものか見てみたい。 自分にもソウルメイトはいるの?今付き合っている○○君は私の運命の人なのか、知りたい。
といったものが代表的です。


前世(過去生)退行とはどんなもの?前世ってあるの?
 前世があるかどうか、証明は困難です。しかしその独特のイメージ体験を通して、クライアントは現在の悩みとの関連を知り、これまで歩んできた人生をより広い視点から見ることができます。この体験はしばしば(覚醒状態の)ご本人が思いもよらなかった洞察を得るきっかけになり、前後のカウンセリングと併用することにより、問題が改善されていくのを実感されるでしょう。


どのくらいの治療期間がかかるの?
 1回でかなり改善する方もいますが、多くの場合は数回から十数回程度かかるでしょう。
 頻度は週1回から数ヶ月に1回という場合もあります。
 いずれにしろ、他の心理療法と同様、主人公はクライアントご自身であり、セラピストはその補助やガイドに過ぎません。クライアントの強い意志と努力が必要であり、魔法のように「治してもらえる」というものではありません。


誰でも受けられるの?
 最初の面接時に、クライアントの症状や問題、それをどのように解決したいかをお聞きし、催眠療法の適応とセラピスト(浜野)が判断した場合には施行します。
 大雑把にいえば、明らかな精神病状態の方や衝動性の高すぎる方、また知能や意識状態の関係で言語表現が困難な方は実施できません。また幼児も言語表現が未発達のため、原則として本療法の適応とはなりません。


他の療法との併用をしても良いの?
 催眠療法は医術でも魔術でもないので、大概の他の治療法とは併用可能です。
 従来の医学的治療にとって代わるものではありませんので、治療中の病気や怪我等がある方は主治医にご相談ください。


実際のセッションの受け方は?
  初回(90分)は、カウンセリングとなります。この時にクライアントの悩みや改善したい点などをはっきりさせ、それに対して催眠療法が適切な治療法かどうかを判断します。そして催眠療法の適応となれば、催眠についての基礎知識をクライアントに学んでもらい、自分がそのような治療法を望むのかどうかを確認します。
  2回目以降が実際の催眠となります(90分)。
  初回(カウンセリング)と2回目(催眠)は同じ日に続けて行なうことも可能ですので、ご希望の場合は予約時にその旨をお伝えください。
  セッションの日時・場所・料金等の詳細はストレス緩和ルーム詳細をご覧ください。

書いた人 浜野ゆり : 2005年07月09日 15:46