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メンタルヘルス用語辞典>アルコール依存症とは

2006年02月01日

アルコール依存症とは


 化学物質(薬物)としてのアルコール(エチルアルコール=エタノール)に身体的・精神的に依存性ができ、それなしには安定した心身状態でいられなくなってしまった病態です。


 当初は勤務後に普通に飲酒するだけだったのが、毎日飲まなくてはいられなくなり(断酒日を作れない)、量も次第に増え、やがて飲酒の翌日遅刻や欠勤、仕事の能率低下をきたします。
 更に進むと職場に酒を隠し持っていたり、夜勤中も飲むといった、明らかに不適切な飲酒行動が見られるようになり、職場で問題視されるようになります。
 周囲は叱ったり脅したりなだめたりして何とか飲酒を控えさせようとしますがなかなか成果は上がらず、周りからの信用を失い、失職や離婚となるケースも多いです。


 長年の大量飲酒により肝炎・肝硬変、慢性の下痢、そして飲酒ばかりしていて胃腸が食物を受け付けなくなっていることによる全身の栄養障害、そして痴呆状態へと進んでいきます。
 末期には栄養障害による心不全・呼吸不全や、肝硬変からくる食道静脈瘤の破裂による出血等で死亡に至ります。

 
 アルコール依存症かをみるチェックポイント
はいくつもありますが、以下のものが最も本質的であり、これらに当てはまるものが多いほど、依存症である可能性が高くなります。


・今日だけは飲まないでおこうと思っても、実行できない。
・一杯だけにしておこうとしても、つい酔いつぶれるまで飲んでしまう。
・酒がないと眠つけない。
・休日は朝から飲む。
・飲酒翌日に遅刻や欠勤をすることが複数回あった。
・断酒すると離脱症状(いわゆる禁断症状。下記)が出る。


※アルコールの離脱症状: 手の振るえ、冷や汗、動悸、吐き気、不安・イライラ、不眠、幻視や幻聴、けいれん発作、意識のくもり、混乱(自分がいる場所や時間を誤認する)など。


書いた人 浜野ゆり : 2006年02月01日 10:07

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