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伊豆生活

2009年01月23日

それで伊豆での生活ですが、
移り住んで一番感じたのが「空気がきれい」というのと「静か」という点です。


季節柄もあるでしょうが日中、近くの木々から遠くの山まで、とてもくっきり、色も鮮やかに見える気がします。
そして夜には、オリオン座をはじめ、星がかなりはっきり見えます…空の光点の数が、都内の3倍は見えているのではないかと思います。
電灯も少ないので、日が暮れると真っ暗といって良いほどで、近くのポストへ投函に行くにも懐中電灯持参でないと足元が危ういです。
(ちなみにポストの郵便物は、一日一回しか回収されていきません・笑)
それだけ人や車の往来も少なく、夜19時くらいでも、東京の住宅街での22-23時くらいの静けさで、シーンとしています。


ただ、これは風がない日の話で、今住んでいる土地はちょっと丘の上にあり、週の半分くらいは特に夜間の風が強く、時には雨戸ごと揺らす風の音で夜中に目が覚めるほど。
最初は驚きましたが、そのうち慣れました。


今は冬なので、ダイビングをはじめとする海遊びはお預けにしていますが(ダイビングフリークになると、むしろ「冬の方が海の透明度が良い」とあえて潜りに行くそうですが、私たち夫婦はそこまでではないので)、毎朝雨戸を開けた時から夕方まで、海のきらめき、波の具合など常に異なり、いつまでも見飽きません。
空気が特に澄んでいる快晴の昼間には、遠く三浦半島や房総半島まで望めることも。
また、日によっては綿雲が海に映りこむほど凪いでいることもあり、故郷の瀬戸内の海をふと思い出したりします。
それに瀬戸内といえばみかんの産地ですが、ご存知のように静岡も三ヶ日みかんなどで有名ですね。
このように気候が似ている点が多いのも、この地に懐かしさを感じるゆえんなのかもしれません。


まだ庭の手入れはほとんどできていませんが、サザンカの花にはメジロが、赤い実のなるクロガネモチの木にはヒヨドリが何羽も来て、冬の鳥の食料庫になっているようです。
特にヒヨドリは集団で来ては競争するように食べているうちに興奮してくるのか、先日は2階の窓に一羽が激突してきました。
ちょうど自室で机に向かっているときにすぐ側で「バン!!」と音がしたので、びっくりしました(笑)。
窓にホコリの羽跡がつきましたが、幸いその鳥はその後も普通に飛んで行ったようです。


また朝などには、近くでコジュケイ(うずらに似た、しかしサイズは小型の鶏くらいある鳥のようです、まだ見たことはないですが)の「チョットコイ、チョットコイ」という鳴き声が聞こえたり、電線の上をリスが歩いているのを見かけたので、結構動物たちも多く住んでいるようす。


動物といえば、昆虫その他の無脊椎動物も多そうですね~。
庭の石をひっくり返すとカタツムリが冬眠していたり、大小のクモが活動していたり、時々ナメクジやヤスデなどもつい先日、屋内に入り込んでいたそうですから…。
まあそれだけ生命力の強い土地なのでしょうから、春からの時期は覚悟せねば(笑)。
それまでの間、虫対策も含めて家庭菜園などの本で予習しておこう。


さて、こちらに来て認識したことの一つが、干物の美味しさです。
海の近くで生まれ育ち、魚はもともと好きですが、「新鮮な魚は一に刺身、二に塩焼きか煮付け。干物は保存食という次善の策として食べるもの」と思っていたのですが。
街中のごく普通の干物やさんで買った、お買い得品3匹入りパックを焼いて食べたとき「おお、美味しい!!」とびっくり。
旨味が濃縮されていて、でもそれほど塩辛くなく、「なるほどこれは生とはまた別の、あえて食べたい『料理』だ」と思ったのでした。


生活の場を変えると、必要に迫られて日々の行動が大きく変わります。
私たちの場合でいえば、庭仕事用具を買い揃えたり、電動ドリル・ドライバーやコンポストといった、初めてのものをいくつも買う必要がありました。
自分たちでは全くわからないのでホームセンターの店員さんに選び方や使い方を教えてもらったりし、それでも時には途方に暮れつつも、そうやって一つずつ覚えていくことが、良い刺激になっているのだろうと思います。


それにしても、時は寒中。
温暖なイメージの伊豆ですが、朝晩は結構冷えます。
春が待ち遠しい~。

書いた人 浜野ゆり : 2009年01月23日 19:49