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震災後の微妙な心理的影響
2011年04月03日
震災から3週間経ち、例えば都内においては、引き続き計画停電や電車の間引き運転、一部商品の品薄状態もまだ見られるものの、それなりのシステムがしかれて、当面の生活が維持できています。
新年度に入ったためか、昨日(土曜日)夕方には、久しぶりに新宿駅回りは相当な混雑をしていました。
特に、遊びに出てきた若者が多かったように見受けられました。
ただ、外国人がほとんど見られないことは、違いとしてやはり感じられますが。
外来での患者さんも、大部分の方はかなり落ち着いて震災日以降も生活を送っておられたので、私も一安心しました。
さて、表面的にはとりあえず日常生活が戻ってきたように見えても、もちろん潜在的な不安、今後への気がかりは多くの点で続いています。
今朝も、福島原発で、高濃度の放射線で汚染された水が海に漏れ出ていることが報道されるなど、衣食住への脅威となることが更に今後も加わる可能性もあり、予断は許されません。
また、毎日ほとんどの局、ほとんどの時間で震災関連の報道ばかりされるため、それが2次的ストレスになったり、地震ではないのに揺れている気がするなど、心理的疲弊に伴う症状が出てきている人たちもいます。
あまりに症状が強くなれば専門的治療が必要ですが、そこまでいかない場合には、運動や趣味などで上手に気分転換をするストレス管理が必須となります。
今後も、このストレスは長く続くと思われるので・・・。
また、覚醒時の症状としてはさほど自覚なくても、微妙に受けているストレスは、夢の内容という形で表現されることもあります。
私の例では、以前は防衛庁(当時)に勤務していて、かつて阪神・淡路大震災の時も、短期間ながら医療支援に派遣されたこともあるため、その頃の記憶から来たと思われる夢を、最近しばしば見ます。
もちろん夢なので、過去の事実そのものというよりも、そこから派生した、やや極端で飛躍したストーリー仕立てになっている部分が多いです。
今回は地震・津波という自然災害に加えて、原発事故という人災が加わり、しかもこちらの方が(次にいつ襲ってくるかという、不確定な地震とは異なり)放射能汚染という、既に明らかに存在し続けている危険・脅威であるため、いつまで経っても気持ちが一段落できない、という辛さがあるでしょう。
皆さんの中にも、震災以降、変な夢を見る頻度が増えた人もおられるかもしれませんが、あまりその内容を過大に気にすることなく、「あ~、この持続的なストレスを、心が夢という形で表現したのだなあ。表現できるのは、ストレス発散のために必要なことなので、せいぜい表現させてあげよう」と、受け流すようにしていただければと思います。
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(ちょっとお知らせ)
久しぶりに「インフォメーション(更新情報)」欄も記載しましたので、合わせてお読みいただければと思います。
書いた人 浜野ゆり : 2011年04月03日 16:05