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(8)「適度」なスピリチュアル生活――感謝すること

2012年10月16日

( 1 )感謝すること


何に感謝するのかといえば、「現在既に得ていること」「過去に自分が受けたこと」にです。


例えば、一生懸命仕事をしたのにリストラされてしまったとします。
この不況のご時世で、なかなか次の仕事が見つからない。将来への生活不安が日を追うごとに膨らんでいく・・・といった場合。


それでも家族すなわち親なり、配偶者がいる場合は、そのことに感謝します。


肉親との関係が険悪だったり、天涯孤独であっても友人やそこそこフォローしてくれる元同僚がいればそのことに、支えてくれる関係がほとんどない場合でもともかく動ける健康状態があればそのことに。


曲がりなりにも仕事があるならばそのことに。
ホームレスになってしまったとしても、今日の食べ物が、雨露しのげる屋根が得られればそのことに・・・と、どんな小さなことにもあえて目を向け、それを手に入れていることに感謝するのです。


そうすることで、ネガティブなスパイラルにはまり込もうとする心に歯止めをかけ、最初はわずかな点からでも、心に灯る光に気づき、それにより心が安らぐからです。
このような精神状態の方がつらい生活にも耐えやすくなるだけでなく、実際に免疫力も向上するので病気になりにくくなります。
逆に、そうした精神状態にないと、次の良い手を思いつく思考の回転も、やってみようという意欲も湧かなくなってしまうので、内面的だけでなく現実的にもますます不利な状況に自分を追い込んでしまうことになります。


人の心の特性として、「注目することが拡大して見える」というものがあります。


同じ環境についても短所ばかり数え上げるともうどうしようもないほど酷いものに見えてくるし、長所に注目すれば、「結構まだなんとかなるかも」というふうに見えてきます。
前者と後者の注目点、つまりどこに意識を向けるかで自分の感情も全く違ってくるため、次のアクションの違いにも結びつくのです。


対象が人でも同じことです。
ある同僚(上司、部下、恋人、配偶者、義理の親、等々)との人間関係に悩む場合、「あの人の、あの点を改善してくれたら、もっと良い関係になれるのに」と思うことは多いものです。
しかし現実には、人は自分自身しか変えることはできません。


相手の短所をいつも気にしているとそれが目立つのでますます気になりますが、そうすると相手も、「自分は真に受け入れられてない」と感じ取るため、更に関係がギクシャクしてきます。
しかし長所に意識を向けると、そのよさを持つ相手を貴重に感じるため、自然に相手に優しさや寛容さ、笑顔を向けることが多くなり、相手もあなたに心を許します。
すると更に相手の長所が頻繁に表現されるようになり、こうして関係性も改善していきやすいのです。


このように、対象のどこに着目するかで主観的な気持ちの良し悪しの度が異なり、それが次の自分の行動の違いになり、その積み重ねで物事の流れ(そして人間関係の質や自分の健康状態も)がどんどん変化してくため、スタート地点である「自分がどこに着目するか」は、究極的には自分の人生の質を方向付ける重大な選択なのです。

書いた人 浜野ゆり : 2012年10月16日 07:04