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(18)「適度」なスピリチュアル生活

2012年11月14日

呼吸以外の動作に注意集中する方法もあります。


例えば誰でも日に何回か手を洗ったり、歯磨きをするでしょうが、その数十秒~数分間は他の考え事をせず、行為に集中します。
例えば手洗いなら、今手のどこに水が流れているか、水の温度はどんな感じか、片手をもう片方の手で触れている感触、今どの指のどこを洗っているのか、せっけんの泡の感触(ふわふわしている、滑らかである、)その香り・・・そうしたものに意識を集中するのです。


(余談ですが、強迫神経症の代表的な強迫行為である手洗い強迫では、しばしば日に何時間も手洗いなどに費やしますが、こうした患者たちが手洗いをすればするほど精神的に追い込まれていくのは、手洗いという行為はしていても頭の中は強迫不安にもとづく思考、
例えば「小指の外側を洗い残したのでは?」「今、洗面台に落ちた水が一滴はねて、手のひらに当たった気がする。また汚れてしまう!このままもし手洗いを止めたら、その汚染箇所から他の場所にも汚れが広がり、ますます自分や周りが汚れてしまう!どうしよう!」
といった内容で頭の中が占められ、行為そのものに意識を集中できていないからです。)


近年(日本では、特に一九九〇年代から)の催眠療法や瞑想セミナーにおいては、セラピストが特定のイメージを描写し(例「暖かな日差しの注ぐ、明るい草原で寝そべっています」「目の前の階段を一段ずつ降りるにつれ、意識が心の奥深くに入っていきます」など)、参加者をリラクゼーションに導く「誘導瞑想法」を行うのが典型的だが、これはこうしたストーリー性のあるイメージを与えた方が参加者が雑念に気をそらされにくく、瞑想や催眠の世界に意識を集中しやすくなるからです。


こうした瞑想を『なまけ者の3分間瞑想法』の中で著者は「心のフィットネス」と呼んでいますが、まさにその通りで、ジョギングや他のスポーツと同様、毎日の訓練によってスキルが確実に上達します。
そして「心の体力」がつくと、以前よりもストレスに振り回されなくなるのです。


上述した以外にも様々な方法で瞑想は日常生活に取り入れることができます。
『なまけ者の~』の他、『マインドフルネス ストレス低減法』にも具体的な多くのやり方や、様々な悩みへの活用法などが載っていますので、ご参照を。

書いた人 浜野ゆり : 2012年11月14日 06:36