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(28)「適度」なスピリチュアル生活――占いについて9:双子の運命は同じか?

2012年12月19日

③一卵性双生児については占星術は当たらない。


これはどのような鑑定例をみての発言でしょうか、もとの事例を読んでみたいものです。


一卵性双生児でもほとんどの場合、出生時間は(帝王切開で非常に順調に二人とも取り上げられた場合を除き)数分以上の開きを持つことが多いでしょう。


西洋占星術では4分ごとにアセンダントという、個人の気性や体質、容貌に大きな影響を与えるとされるポイントがずれていきます。


これがちょうど星座の変わり目にかかる場合には、双生児でもかなり気質等が変わりえます。


ただ、ここでセーガン氏がわざわざ「一卵性」双生児と書いているところをみると、おそらく違いよりは類似性について当たっていないという意味なのかもしれなません。


一卵性双生児でも、例えば生後間もなく全く別々の環境で育てられたら、人生を歩む道筋も違ってくるでしょうが、それでも体質や気質が類似しているため、例えば兄は新聞記者になり弟は作家になった・・・など、近縁の職業に就くなどは、大いにありうることです。


また、同じような年代で同じような病気になりやすい傾向(それが例えば、心筋梗塞と脳梗塞といった違いがあったとしても、同じ循環器系の病気ということで一括される範疇である)もあるでしょう。
でもその程度の大まかな類似性はホロスコープ上にも現れているはずなのですが・・・。


仮に、一卵性双生児のサンプル(数十以上、できれば数百規模)において、二人の出生時間が4分以内の場合と4分以上(特に数十分以上)の場合を比較して、容貌、気質、体質、数十年にわたる人生航路のフォローアップをし、統計処理をしたとしたら、一卵性双生児において占星術が当たるかどうかがはっきりするだろうが、現実的には実施困難でしょう。


それからもう一点の理由としては、限りなく類似したホロスコープを持つ人同士でも、その特性の「住み分け・使い分け」という可能性があります。


占星術家、松村潔氏はその著書『占星術のシクミがわかる本』巻頭の Q&A集の中で、読者への質問に答えるという形で、以下の例を説明しています(本項目で先ほど触れた、アセンダントによる違いにも、冒頭で簡単に言及してから、以下の回答となっています)。


(質問)占いって、同じ誕生日の人は、同じ運命をたどるの?だったら、双子の姉妹はどうなるの?


(回答)…仮に 4分以内にふたりが生まれて、まったく同じホロスコープになったとしても、「住みわけ」が起こってしまうでしょう。
 ひとりのホロスコープの中に天体が 10個あることは説明しました。これは、その人の中にある 10の可能性を暗示しています。そしてたいていの人は、自分の中にひそんでいる 10の可能性のうち、3くらいしか使っていないのではないでしょうか。

(つづく)

書いた人 浜野ゆり : 2012年12月19日 19:28