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(29)「適度」なスピリチュアル生活――占いについて10:一卵性双生児でも性格が違うわけ

2012年12月20日

そこで、いっしょに暮している双子の場合、同じホロスコープの可能性のうち、ひとりはこちらを使い、ひとりはこちらを使う、というふうにホロスコープの影響力が分業化されがちです。
飲み屋さんで、ひとりが酔っぱらってしまうと、もうひとりは酔えなくなり、介抱する羽目になります。
ひとりが病気になると、もうひとりは安心して病気になれず、やはり介抱役になります。
同じ家の中に住んでいても、ひとりが机に座るともうひとりは机に座れません。
そこで台所に行きます。
これを何十年も繰り返していると、「物書き」と「料理人」という、役割分担になってくるでしょう。


同じホロスコープを持っていても、アクセスする部分で、人生は変わってきます。ホロスコープは、決して、変更不可能な「運命」を示してはいません。
たくさんの生き方の可能性を示しているのです。
そのうちのどの可能性を生かすかは、あなたしだいです。


何も双子に限らず、一人の個人の中でも、接する相手や置かれた環境により、周りが驚くほどの変貌ぶりが見られることはないでしょうか?


そうしたとき、自身でも「こんな一面もあったんだ」と意外に感じるか、あるいは「こっちが本来の自分だ」と思うかは、前の相手(あるいは環境)との関係でどれくらい本音を出せていたかにもよるでしょう。


割と多いのは、自分は内気で自己主張など難しいと思っている女性が、ホロスコープで(特に男性を象徴する太陽や火星などが)かなり活動的な状態である場合、「強い(活動的、攻撃的)」性格のパートナーと結びつき、彼が彼女の代わりに活動的な役割を果たす、というパターンです。


このパートナーの選択においてはほとんどの場合、本人は無自覚なので、彼の言動に関して
「自分の足りない部分を補ってくれている」
と肯定的に受け取るか、
「良い人だと思ったのに、また自分は虐げられている。これって私の運命?」
と否定的に受け取るかは、その時の本人の意識次第です。


占星術的観点からすれば、彼女が自分の中にある「活動的・攻撃的な部分」を自覚せず、したがって、使い慣れていないために周囲の人に投影してしまい、翻弄されている状況なのです。


自分をより理解し(それは心理療法を使ってでも、占星術の観点を理解することによってでも良いのですが)、否定的に思っていた側面も自分の一部として納得できるようになると、自分自身が適度に強い自己主張ができるようになるため、受け身で翻弄されるという感覚はあまりなくなってきます。

書いた人 浜野ゆり : 2012年12月20日 19:31