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(2)スピリチュアルへの批判――基本的な科学的思考を放棄してしまう人

2013年01月03日

学生時代から自然食などに関心があったため、市販で多用されている食品・掃除用品などがいかに毒物を含み、危険かという告発書も何冊か読みましたし、大学生の一時期、そうした考えを共有する人向けの月報のようなものを取って読んでいたこともあります。


ところが2回ほど、非常に驚きあきれた内容掲載がなされた号があり、
「こんなものに触れていたらまともな思考能力がなくなってしまう」
と危惧して、その後直ちに購読を中止したのです。


それは以下のような内容でした。


(1)登場した某男性(壮年期)いわく、
「今の常識では心臓が全身に血液を送っていることになっているが、それは間違い。血液は全て毛細管現象で循環している。だから身体の末端の血の巡りが悪くなったら、こうして振れば良い」といい、床の上に仰向けになり手足を天井に向けて挙げ、ブラブラ振るのです。
その写真が掲載されていました。


「今時こんなことを信じ、しかもそれを堂々と表明しちゃう人がいるのか~~」と、非常に驚きました。


この人の学歴や職歴は覚えていないが(記事には、あまり書いてなかったように思います)、中学くらいまでには、少なくともフナの解剖くらいは見学しているでしょうに。


まあ、大学や専門学校で理系に進むか、少なくとも高校で生物学を選んでいない場合、もしかすると生きている動物の解剖をしたり見たりする機会がなかったのかもしれませんが…。


当時、インターネットが普及する以前の1980年代終わりごろであったことを考慮しても、あまりにも無知で非科学的だと思いました。


現代なら、テレビの健康番組でだって、実際の心臓の手術場面の動画を放映することもあり、


・心臓が筋肉でできていること
・その筋肉の収縮力と(心臓の4つの部屋の間を仕切る)弁、つまりフタの開閉によって全身への血液の射出と回収を行っていること


は、誰にでも提供される基礎知識でしょう。


もし前述のような人に、たとえば実験動物の心臓手術場面で、誤って動脈に傷をつけた場合などに、血液が噴水のように吹き出る場面の記録動画を見せたとしたら、それでも「いや、それは間違いで、毛細管現象で血は循環しているのだ」と主張するのでしょうか?

書いた人 浜野ゆり : 2013年01月03日 18:22