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(8)スピリチュアルへの批判――実験にすらなっていない3つのポイント

2013年01月16日

反証のポイントは三つあります。


(1)江本氏の実験システム形成され観察された「水の結晶」(実は霜)は、あらかじめ音を聞かせた(あるいは言葉を書いた紙を水の容器に貼った)水ではなく、観察直前にシャーレの水が凍ってできた氷の表面に触れた、空中の水蒸気が結晶したものであり、よって「音を聞かせた」水と「観察された結晶」は因果関係がない。


(2)水の結晶は厳密な温度と過飽和度(空気の中に、どれくらい水蒸気が含まれているかの目安)といった環境管理で何度でも再現可能なものであり、逆にこうした実験環境が制御されていない中では「実験」の体をなさず、結果はバラバラで再現性はない。


(3)結果判定への、実施者の思い込みのバイアスを除くために必須である「ブラインド法」すら行なっていない。


 ブラインド法とは、結果の測定者にサンプルの内容を知られないようにすることです。


この例でいうなら、どのシャーレの水が「ありがとうという言葉」や「クラシック音楽」を聞かされ、どの水が「ばかやろうという言葉」や「ヘビーメタル音楽」を聞かされたか、結晶の観測者に知られないようにすることなのですが、江本氏はサンプル内容を全て観測者に教えてしまっているのです。

書いた人 浜野ゆり : 2013年01月16日 18:37