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あえて「中途半端」で止める練習を①/2

2013年07月31日

「何かを達成しようと思ったら、目標を決めて計画を立て、確実に実行していこう」

「先延ばしぐせを止めよう!毎日きちんと課題を片付けよう」


仕事でもその他の物事でも、必ずいわれるフレーズです。


そして、これらは正論であることは間違いありません。


日々やるべきことをリストアップし、それに基づいてこなしていく、
これによって達成されることは数多くあります。


ただ・・・こうした助言を読んでいていつも気になる点が、「やり過ぎにも用心しよう」という注意が、あまりなされていない点です。


高い目標をあげ、それに到達するためにかなりの量のタスクを毎日自分に課し、その結果数か月後にはダウンしてしまう人が少なくありません。


特に、性格的にもともときっちりするのが好きは人は多くの場合、不安がいつも強めなので、


「この計画通りに実行しないと将来大変なことになる(例 仕事の評価が下がる、期日までに納品できない、試験日に間に合わない)」


という考え方がベースになっており、
その不安から、自分を行動に駆り立てている場合が多いので、しばしばやり過ぎ、
ついにはうつ状態になり寝込んでしまうリスクも高まります。


特に心療内科の外来で出会う患者さんにはこのパターンで調子を崩した人が多いです。


課題をクリアして自分の目標を目指すのは大事なことですが、その目標達成のために毎日の生活の中に


「生きていてよかったなあ」


と思えるような、何らかの楽しみな時間が組み込まれていないと、
毎日の生活が苦行になってしまいます。


自分がこうしたまずいプロセスに入り込んでしまったかを判断する一つのポイントが、


「『やりたいこと』があるか?」

「それを、『やるべきこと』よりも優先してやる時間を設けているか?」


ということです。


「この目標が達成できたあかつきには、自分へのごほうびとしてこれをしよう」


と思っていても、あまりにも消耗してしまうと、
やっと時間ができた時にはそれをやる意欲も興味もなくしてしまっていた・・・


という淋しい体験をしたことのある人も多いのではないでしょうか?


つまり、 「楽しみごとにも賞味期限がある」 のです。


次回の記事では、「やり過ぎに気づきやすくし、予防するにはどうすれば良いか」を述べます。

書いた人 浜野ゆり : 2013年07月31日 12:01