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脳に効く栄養:食べ物は感情を左右する

2005年09月28日

 先日、『脳に効く栄養』(マイケル・レッサー著、中央アート出版社)を読み、久しぶりに大いに納得・興奮する読書体験となりました。
 内容を一言で説明するならば「栄養状態により脳の機能が如実に影響され、感情や認知力も変わる。栄養状態は(いわゆる生活習慣病のみならず)、統合失調症(精神分裂病)やうつ病などの精神症状を発症させるもとともなる。逆に、栄養状態を改善することにより、それらの症状を軽減することができる」というものです。
 これまでも「非行少年たちの食生活はジャンクフードばかりで、食事の貧しさが精神状態の不安定さにつながっている」という記事を見聞してはいましたが、調査方法の詳細が今一つ明確でなく、「何か、感覚的だなあ。本当かいな」と疑いのまなこで見ていたのですが・・・。
 この本は一般向けながら、1950年代からアメリカやカナダで研究・実践されてきた新しい栄養療法の解説が詳しく書いてあり、「なるほど、そういうことなら・・・」と得心がいったのでした。
 面白いのは、作者はこの数十年の臨床経験の結果、人の脳を6つのタイプに分け、その特性、アンバランスになった時の精神症状を述べた上で、特に必要な食べ物・避けるべき食べ物のリストを載せてくれているところです。
 最も多いのは、うつ病になりやすいという「ストイック・タイプ」ですが、6つのタイプに共通しているのは「急速な高血糖→反動としての低血糖」で、この低血糖になった時、憂うつ感・不安・イライラを感じやすくなります。そしてこのような血糖のジェットコースター状態を作り出すのがいわゆる「3白=白砂糖、白米、精白小麦粉」およびその製品。更にカフェイン(コーヒー、コーラなど)、アルコールが日常的に摂取されていると悪影響が倍増するのです。
 この飽食の時代に、栄養失調なんて?と当初は思ったのですが、食べ物リストを見ると確かに、我々現代人はカロリーと動物性油脂・動物性タンパクは充分すぎるほど摂ってはいてもビタミン・ミネラルは慢性的に不足。その上重金属やら砒素やらが知らぬ間に吸収されているわけですから、具合も悪くなるというものです。
 ちなみに私は「ガーディアン・タイプ」で、これは「何事も慎重に準備してから行動する」のですが、バランスを崩すと「いくら準備しても気がすまず、不安になる」→強迫神経症になりやすい、のだそうです。確かにその気はあるかもなあ。
 実は今月、都内で一般向けのセミナーもあったのです。これは患者さんおよびそのご家族限定のものだったので私は参加していませんが、上述の本の著者の師匠の方が来日されて直にお話もされた由。
 そして先日、日本におけるこの分野の活動者たちの1人と、先日お話する機会がありました。国内では飯田橋にある九段クリニックで既に多くの患者さんに効果を挙げているそうです。今後次第に興隆していく、新たな分野になる予感を感じました。

書いた人 浜野ゆり : 2005年09月28日 19:30

この記事へのコメント

はまのさん、どうもです。のがもです。
早速ありがとうございました!
私は2日前くらい、かなり落ちたときに
浜野さんが紹介していた本を読んで命拾いしました。
私の場合はビタミンCをたくさんとったのが、
即効性があったみたいです。

ちなみに、私はウォーリアタイプ8で
スタータイプ7でした。
なんとなくなあ、と思います。。。

書いた人 のがも555 : 2005年09月28日 20:56