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やはり漢方も捨てがたい

2007年12月03日

11月後半に、風邪を引きました。
私の場合、派手に熱が出るのは数年に1度程度で、風邪の症状は倦怠感と頭痛、多少の悪寒で、しかもこの1-2年は天然の抗菌ハーブ「オリーブ葉エキス」のおかげで大体半日から1日でよくなることが多いのですが、今回は咳が長引き、それがちょっと辛かったです。


この咳、当初は風邪の一症状として出たはずですが、後半は他の症状が消えても咳ばかり続き、特に夜 横になった時や、話していて何かの拍子で出始めると発作的に連続します。そのため睡眠も中断しがちになり、1週間も続くと疲れてきました。


研修医時代にも同様な体験があり、その時は念のため受診して胸部レントゲン写真も撮ってもらったのですが異常なし。週末点滴してもらったのですが、その途端咳が治まり「自宅で一人で寝ている不安からくる心身症だったのか?」とちょっと決まり悪い気持ちがしたのを覚えています。


同時に、自覚以上に脱水気味だったのかもとも思い、今回も一日の水分摂取量も振り返ってみましたが、不足しているとは思われません。
鎮静・抗菌効果のある精油も吸入したり、精油入りの喉飴も使いましたが、これらも四六時中使っているわけにもいかないのと、しまいには精油の香り自体が刺激となって却って咳き込んでしまうこともあり、どうしたものかと考えました。


そこで思い出したのが漢方薬。
オリーブ葉や精油を使うようになり、最近私の中では漢方は副次的な立場に追いやられていたのですが、こうした特定の症状をターゲットにするには良いかもと思い、「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」をのむことにしました。


というのも今回の咳は、当初は風邪からきたものでも、後半慢性化したのは菌のせいというよりも、咳を繰り返すことで喉粘膜についてしまった細かい傷とそこから持続的に発生する炎症によるものと推定されたからです。
例えば皮膚でも、最初は蕁麻疹や虫刺されから生じた痒みでも、しょっちゅう掻いているうちにその部分の皮膚の角化が進み、皮膚が元来の原因とは関係なく慢性炎症状態になりそれが痒みとなって続く、というのはよく体験されると思いますが、それと同様です。


麦門冬湯は風邪の急性期を過ぎた後に長引く咳に使うもので、「体力が中程度またはそれ以下の人の激しい咳、発作性に咳き込み顔面紅潮する場合、喉の乾燥感や違和感のある場合」などに用いる処方で、今回の自分の症状にぴったりです。


そして先達の文献を調べると、この処方に関しては「症状・経過によっては、治まるまで2-3時間おきにのんで良い」とあったので、最初の2-3日は頻繁にのみました。
その結果一昨日くらいからかなり楽になり、咳もほとんど出なくなっています。
いやー、助かりました。診療時ももちろんですが、ストレス緩和ルームでも催眠誘導を行なう時には咳き込むとクライアントさんの集中力をそいでしまうので、何とか早く治したかったのです。


的確な「病気の症状」と「本人の証(体質)」を選んで使うと、やはり漢方薬は強い味方です。
保険も使える上、服用しやすいワンパックずつの顆粒になっている点も、日本の本当に良い代替療法薬ですね。
今後も大事にしていきたいものです。

書いた人 浜野ゆり : 2007年12月03日 12:08