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悪夢対策は、栄養か心理療法か

2008年05月18日

夢…この不思議なもの。
精神分析の父、フロイトが「無意識への王道」と述べて、夢が単に表面的なストーリーだけでなく、見た本人の実際の生活との関連で理解し、その心理状態を象徴的に表現したものとしてまとめた『夢分析』が出版されたのが約一世紀前でした。
それ以降もユングをはじめ、様々な立場の人たちが夢をどのように読み解き活用するかは、多くの人たちの関心の的となってきました。


また人類が比較的原始的な文化の時代から、夢を一種の「神のお告げ」とか占いとして受け取る人々も多く、それは現代でも多種多様の「夢占い事典」本が出ていることからもわかります。


さて、「夢を見るのは眠りが浅いからだ、夢をあまり見るのは眠りが良くないのだ」と思っている人が結構おられますが、基本的には夢は誰でも毎晩見ています。
睡眠時間の長さにもよりますが、一晩で3-5回見ていることが、脳波の研究などからわかっています。
「いや自分は全く夢を見ないたちで」という人もいますが、それは覚えていないだけで、正常な睡眠リズムでは夢を見るサイクルが組み込まれています。


夢はもちろん、それを見た人の体験や記憶を反映しますから、ストレスがかかっている時には不安感や恐怖感を伴なう夢を見ることもあります。
そして毎晩のように悪夢を見ている場合には、そのストレス源に対処して覚醒時からの不安レベルを減らすための対処、例えばカウンセリングや夢分析も必要でしょう。


一方で、人の精神活動は脳がつかさどります。
この脳へのアプローチで悪夢を大幅に減らせることは、栄養療法で得た貴重な知識の一つでした。

実際、子供・大人に関わらず、しょっちゅう悪夢を見るのでついには夜眠るのが怖くなってしまったという患者さんで、栄養療法で悪夢を見なくなった人たちをこれまでも何人か経験してきました。

悪夢を見たり、寝つきが悪い、途中で何度も目が覚めてしまう…というのは、主にビタミンB1の欠乏時に起こります。
(もちろん実際は、B1だけでなく他のB群やアミノ酸も大いに関係していますが)


またB1が不足していると、音に過敏になり、日常生活上の物音が非常に神経に障るように感じられます。
「頭にキリキリ響く」「体に突き刺さるようだ」と患者さんは表現することが多く、特に食器がぶつかる音やスーパーのレジ袋がこすれてシャカシャカいう音などにぞっとするそうです。


こうした症状も悪夢対策と同様、B1をはじめとするビタミンB群を十分量補給することで、次第に治まっていきます。

心理療法と栄養療法、この両者を上手に併用して、より良い精神状態を維持できるようにしていきたいものですね。

書いた人 浜野ゆり : 2008年05月18日 17:25