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瞑想CDで英語耳

2008年10月31日

相変わらず英語習得への人々の情熱は強烈です。
特に向こう1-2年以内には小学校高学年から英語を必修化するとの文部科学省の発表もあり、幼稚園から英語を取り入れるとか、他の教科も全て英語を使っての授業にしているという新規の学校も出現しているというのをテレビで見て、驚きました。

確か、ある言語学者が数年前「視点・焦点」という番組で話していましたが、まだ母国語も充分習得しないうちに外国語を学ぶとどっちつかずになり、総合的な言語機能が却って衰えてしまうとのことで、さもありなんと思ったものです。


私自身、5歳から7歳の時に親の仕事の都合で2年間渡米していました。
言語機能は5歳くらいで一応完成するそうですが、2年間現地の子供たちと一緒に毎日小学校で過ごすうちに言葉もアイデンティティもすっかり米国人化してしまい、日本語をほとんど忘れてしまいました(家庭で親が日本語で話しかけるのでヒアリング能力は残っていましたが、日本語を話せなくなっていました)。
このため、帰国後かなりの逆カルチャーショックで適応に苦労した体験があります。


学童期に入ってからでさえこうですから、幼児時代から英語優先で生活することには危機感を感じますね。
人は言葉で思考します。
言語が異なるとき、同じ人でも考え方が微妙に変わってきます。
それは、その国民としての気質や文化のもとで特定の言語が生まれ、発展してきたからです。
幼児期から英語漬けで成長してしまうと、日本文化に関心の低い日本人が今以上に増えてしまうのではと思うのは、杞憂でしょうか…?


それはともかく、英語教育の中でもヒアリング&スピーキングが、近年特に力が入れられているようですね。
大学のセンター試験でもヒアリングがあるので、これも当然だと思いますが。

それで、昔ながらのやり方だと、例えばラジオのFEN(極東放送)を聴いて耳を慣らすといったことがあったわけですが、これはかなり難しい!
早口だし、スラングやジョークといった、外国人には一番ハードルが高い要素が多く含まれるからです。


ちなみに、もう20年くらい前、桐島洋子が『聡明な女は料理が上手い』に書いていたと記憶していますが、実用的英語学習の一法として、英語の料理本を使うと良いというのがありました。
料理本は技術書なので文章はシンプルだし(ほとんど全てが命令形)、使われる単語は大体決まっているし、本によってはイラストや写真で内容が推測できるからとのことで、確かにそうだ、と関心した覚えがあります。


私自身がここ数年実践しているのが瞑想CDによる方法です。
といっても英語を聴くのが目的だったわけではなく、結果的にそうなっていたのですが(笑)。


数年前から瞑想は私にとっての一番のストレス解消法になっているのですが、ある人の誘導瞑想が特に気に入っていました。
しかしそれはアメリカ人によるものでした。
和訳したCDもあるのですが日本語版の語りをする人の声のトーンやピッチがどうしても好きになれず、もとの英語版を個人輸入して聴いています。


これを始めたのが2004年でした。
最初はわかりにくい単語やフレーズがあり、発音の微妙なところは聞き取りづらいため、日本語のものを聴くときと比べて音量を上げなくてはなりませんでした。
さてそれを聴き始めて1-2ヶ月経った頃、たまたまカナダに行く計画があり、でかけました。
カナダはブリティッシュ・イングリッシュが多くアメリカ英語とは少し発音が異なることも多いのですが、それでも空港でのアナウンスが、それまでよりも明らかに聞き取りやすくなっていることに気づきました。
それで「あー、そうか…」と「CD効果」に気づいたというわけです。


外国映画のDVDを字幕を消して聞く、というのもよく使われる手ですね。
「正統派」の教材以外にも、このように自分が楽しみながら日常生活の中で取り入れられる方法を見つけられると良いと思います。

書いた人 浜野ゆり : 2008年10月31日 07:01