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(24)「適度」なスピリチュアル生活――占いについて5:血液型占いは占いにあらず
2012年12月06日
ところで西洋占星術、四柱推命、風水、易、タロット・・・これらはいずれも、「もどき」化される前の、ちゃんとした原型が存在しますが、世の中には「タイプ分けしかない『占い』」もあります。
つまり、個人鑑定ができないのです。
これまでの説明から、これではそもそも占いではないことは明白ですが、なぜかわが国には、この「占いもどき」信奉者が、現在でも結構おり、日本の占いへの知識と意識がいかに遅れているかを露呈しています。
それは「血液型占い」です。
日本生まれのこの超単純な「もどき」は、たった 4つしかないタイプ分けで人を説明しているのです。
中には「血液型占いは、占いというよりも性格特性である」と主張する人もいるようですが、それなら紀元2世紀の医師ガレノスが唱えた四体液説の方がずっと歴史が古いです。
ガレノスは人間の気質体質は血液・粘液・黒胆汁・黄胆汁によって決まると主張し、
例えば黒胆汁質の人は「冷・乾」の性質が優位であり、便秘・うつ病になりやすいから、熱性のハーブ(センナ、ヘレボルスなど)のハーブを用いると良い、といったことを述べています(『メディカル ハーブ』日本ヴォーグ社)。
その理論の萌芽は紀元前四-五世紀に活躍したヒポクラテスの時代には既に見られており、「病気を治す」「体調管理」といった明確な目的があったために、おおざっぱとはいえ当時としては実用的でした。
それに比べ血液型占いなど、世間話のネタになる以外、何のメリットがあるでしょうか。
このようなわけで、日本以外で血液型占いなど、信じるのはもちろん、知る人さえほとんどいないのが現状なのです。
書いた人 浜野ゆり : 2012年12月06日 06:49