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(26)「適度」なスピリチュアル生活――占いについて7

2012年12月12日

例えば 1787年に天王星以遠が発見される以前の占星術では、土星が最も力強く支配的で、絶対的規範でした。


これは時代の、国家(王)までが社会および個人にとっての絶対的ルールであった時代と重なります。
人の意識は地域社会や、せいぜい国レベルまでの範囲までしか及ばず、国際社会とか、全地球的な視点というものはありませんでした。
 

18世紀以降、土星以遠の惑星(天王星、海王星、冥王星)が次々と発見された時代は、国同士の交流や衝突が世界規模で頻度も規模も増大し、月や火星、そしてついには太陽系外までを視野に入れた探査機が宇宙に送り出される時代になりました。


特に冥王星は太陽系の最も外側の惑星として、外宇宙との境界線のイメージとなり、かつての土星よりもより根源的で得体のしれない破壊力や、そこからの再生をもたらすエネルギーを持つものとして、占星術で位置づけられました(2006年には冥王星がその大きさや軌道の性質により、惑星の分類から降格されたが、それについての現時点での占星術師の立場はまだバラバラのようです。今後次第にコンセンサスがまとまっていくでしょう)。


つまり占星術ではツールあるいはシンボル(アイコン)としての天体が重要なのであって、地球に近くても小惑星程度では人々の認知度も、決まった象徴的意味もないので、「使えない」、つまり使うに耐えないのです。
(一部のマニアックな占星術師で、何十、何百とある小惑星の個人への影響を考えて占う者もいますが、あくまでも上記十天体にトッピングの味付けをする程度のものであり、鑑定の根本には影響しません。)


また、一部の占星術流派では遠い恒星も太陽系ひいては個人に影響を与えると考え、研究している人もいます。


なお、 1997年頃に「13 星座占い」というものがちょっとだけ流行ったことがあり、これは「天にある実際の黄道十二星座は、黄道 360度を均等に12分していない。それに黄道上には『へびつかい座』もあるので、それも加えて、占星術も実際の星座の配置に合わせるべき」という主張からきていますが、同様の理由で無効です。
十二星座には、神話に基づくイメージが昔から付随しており、人々のそうした集団的意識が、占いが「当たる」基礎となっている、と占星術では考えるからです。


「水瓶座の時代」云々も、一部ニューエイジの思想において、これも天文学と占星術をごちゃ混ぜにしたことからくる考えで、日常の占星術では登場する意義も必要もありません。


百歩譲って、何らかの歴史的つながりがあると想定したとしても、それは以下の程度です。


再び天気予報を例に引きますが、「来週の天気はどうかな?」と週間天気を調べる際、「地球が約46億年前に誕生したこと」や「約7億年前に、地球が全球凍結するほどの激しい氷河時代があった」ことなどを、どのくらい考慮する必要があるでしょうか。
実質上ほとんど影響ないでしょう。
「歳差運動」と「占星術」の関係性もそれと同程度のものなのです。


占星術は基本的に
「天体の影響が社会や個人に、なぜか共時的に、すなわち共振作用的に影響を及ぼす」
とする考え方にもとづくので、そこに普通の意味での科学的因果作用は見つけられません。
それなのに「当たる」というのが占いの怪しさであり、同時に醍醐味でもあるのです。


書いた人 浜野ゆり : 2012年12月12日 06:38